より効果的にインプットするためのポイントについて、「記憶」についての話をしながら掘り下げていきます。定着につなげるような勉強の小技もいくつかお伝えします。
1、短期記憶とは
アメリカの心理学者 W.ジェームズが一次的記憶 primary memoryと名づけたもので,比較的短い,秒単位の時間しか保持されない記憶。この記憶の痕跡は復唱しないかぎり自動的に消滅すると仮定されており,比較的保持の長い長期記憶と異なる機序をもつとされている。アメリカの心理学者 G.A.ミラーは,7をマジック・ナンバーと呼び,たとえば7 (±2) 桁の数字が短期記憶の範囲 (→記憶範囲 ) であるとした。特に記憶材料の提示直後に再生される記憶を直接記憶ということもある。コトバンクより 短期記憶
例えば、知り合ったばかりの人に携帯電話番号を聞いたとします。全くメモせずに復唱できますか?私は自信がないのですが、1人分なら大丈夫という方、何人分の番号なら、一辺に復唱できそうですか?
これが短期記憶というもので、平均7個の数字しか覚えられない。これにはあまり個人差がないそうです。
一度に覚えられるのは7個程度
2、忘却曲線の話
全く知らない用語や単語の羅列を丸暗記する場合、10個暗記したら、次のもう次の日は6、7個くらいは忘れてしまうということですね。
ただ、もともと聞いたことのある言葉だったり、丸暗記ではなく理解を伴って記憶した場合、1週間から数か月等、もっと長く覚えていたりします。
記憶したものはすぐに復習する
この一夜漬けでも個人差が大きいです。一夜漬けで覚えられる量には限界がありますが、例えば名門校の生徒さんの中には、短期間に記憶できる量が飛躍的に高い人がいます。これって短期記憶じゃないんでしょうか。
実は、これは短期記憶のように一回読んだり書いたりした記憶ではなく、覚えるまで何度も繰り返した結果なんだと思います。これも一種の長期記憶(下記参照)なんですね。ただ、「明日のため」と思ってインプットしていてそれっきり復習しないと忘れてしまうだけです。
3、長期記憶とは
短期記憶に対する用語で,記憶材料の提示後,比較的長い期間保持されている記憶。保持内容がなんらかの処理,たとえば復唱,符号化,既有の知識のネットワークへの摂取などの処理を経ることによって長期間保持される。ここでの忘却は,記憶痕跡の自動的消滅よりもむしろ他の記憶材料の干渉による。 コトバンク 長期記憶
先ほど知り合いの電話番号の話をしましたが、自分の電話番号は言えますか?自分の住所は?前の住所は覚えていますか?自分についての記憶は究極の長期記憶です。
なぜ、自分の情報はよく覚えているんでしょうか。
- 繰り返し言ったり書いたりしているから
- 重要だから
- 自分に関心があるから(笑)
つまり、上記のことを意識して勉強することで、短期記憶から長期記憶に移される訳です。
関心を持って繰り返し覚える
暗記力は生まれ持った能力の差なのかといえば、違います。一説によれば、ユダヤ人が頭が良いのは、幼少時から聖書を丸暗記するからだと言われています。暗記力に関しても鍛えられるんですね。
小さい頃から暗記方法を身につけているため、下記の長期記憶に結び付けるのが上手いのでしょう。
次は、忘却を防ぎ短期記憶から長期記憶に変えるための復習方法の具体例をお伝えします。
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