夏休みの宿題でたくさんたくさん、多くの親御さんたちが苦しんできた読書感想文、同じように子供さんも苦しむことが多い読書感想文。この上達法を、大学受験の元・小論文全国一位、作文の家庭教師も経験した筆者が解説していきます。
1.日記を書こう!
2.本を読もう!
3.読書感想文を書こう!
4.出来事ごとの作文を書こう!
5.意見をまとめて書こう!~中学入試の作文へ向けて~
今回は、3.読書感想文を書こう!です。今回は読書感想文を書く前に、感想文のひな型を確認していきましょう。
【基本】読書感想文のフォーマット
日記を書いた際に重要であると説明した、5w1hで書くという基本は同じです。
違うのはお話の気になった要素をピックアップして、要約なり引用なりしながら、一つ一つ作文にしていくことです。最初は一番気になった要素をひとつ。つまり、5w1hの「why」をたくさん書くのです。だいたい1要素で300~400字書けたらok(話のエピソード拾うだけで200字になるのでこのくらいの字数にはなります)。
3~4要素ピックアップして書けるようになったら1200~1600字くらいになります。読書感想文の分量としては、これくらいあれば夏休みの宿題としても大丈夫かと思います。
足りなければ要素をひとつふたつ増やすか、エピソードのピックアップをもっと詳細にするかで、2000字には達するかと。ちなみに登場人物にあてた手紙形式で書く、という方法もありますが、これも会話形式にしただけで、基本の書き方は同じです。
3-1.映像作品の感想を書こう
まずは話を追う、その事が重要になりますので、最初は映像作品で感想文を書くのがとっかかりやすいです。
「読書感想文の話なのにいきなり読書ではないのはいかがなものか」というご意見もあるかと思いますが、まずは感想文を書くということになれるのが大事です。活字とちがって画像・音楽など頭に話の要素が入ってきやすい映像作品で慣れるのが一番です。
映像作品のチョイスは好きな作品で問題ないです(ただし平易すぎる内容だと、今度は感想文が取り上げる要素少なすぎにつき、字数かけなくなるので注意)。
1、2回書いて、慣れてきたら、次のステップへ進みましょう。
3-2.映像化された作品を見たあと読んで、感想を書こう
映像作品を見て、感想文を書けたら、こちらのステップです。
映像作品を見て感想文をかけている人にとっては、文章で追記された要素を読んで、話を膨らませやすくなると思います。
ですので、こちらは文章を書く力を磨くのが主目的ではありません。文章を読んで、イメージを頭のなかに膨らませてから、感想文を書くというトレーニングとしての意味合いが強いです。
作品は文章を大幅にアレンジした映像作品ができているものでなければ問題ないです。もちろん、アニメ化作品でも、マンガの実写化でも問題ありません(漫画の映像化は、かなりの分量をまとめて映像化していて、原作を読むのに一苦労するということが時々ありますのでご注意を)。
1、2回書いて、慣れてきたら次のステップへ行きましょう。
3-3.普段読む作品より少しやさしめな文章の作品で感想文を書こう
このステップで、はじめて、映像作品に頼らない感想文作成にチャレンジです。
ここでは、いつも読む作品より難度の低めなものを読みましょう(チョイスは前回のコラム・「本を読もう」参照)。
だいたい難度的には前回のコラム「本を読もう!」の、現在読んでいる本よりワンランク難度の低い作品を選ぶとよいです(但し、まんが日本の歴史など明らかに向いていない本は使わないでください…。)。
このレベルで2回くらい書けたら、次のレベルへ行きましょう。
3-4.いつも読んでいるような作品で感想文を書こう
ここでようやく、読書する力にあった本を読んで、感想文を書く段階にたどり着きます。書き方は他の段階同様、最初の項にあった通りで。
書いてみて、違和感を感じたら前の段階に戻ればいいですし、感じなければ、必要に迫られた際に(夏休みなり授業の作文なりで季節に一回くらいはあるかと思います)書いてみればよいです。
最後に
読書感想文は書籍という一つの話を受けて、感想という形で自分の意見を述べるというコミュニケーションの練習です。これは小学生にとってだけでなく、中高生、大学生、大人にまで役に立つスキルの訓練なので、めんどくさいと思わずにやってみる価値は大いにあるものです。
…とはいえそういうプレッシャーをもって書くのは大変ですから、まずは自分の気に入った作品を先生やクラスメイト、家族に広めるんだということから導入させてあげたほうがいいかもしれません。
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