小学生に贈る作文講座①~日記を書こう!~

作文

小学生時代の作文と言われて、何を思い浮かべますか?行事ごとにやって来る国語の授業、夏休みの宿題の絵日記や読書感想文…。悲喜こもごもな思い出が詰まっているのではないでしょうか。

親も苦しむことが多かった作文、同じように子供さんも苦しむことが多いこの作文。この上達法を、大学受験の元・小論文全国一位、家庭教師も経験した筆者が解説していきます。

1.日記を書こう!
2.本を読もう!
3.読書感想文を書こう!
4.出来事ごとの作文を書こう!
5.意見をまとめて書こう!~中学入試の作文へ向けて~

今回は1.の日記の書き方について解説します

1-1.一言日記を書こう!

最初は文章を書く習慣を身に付けることが大切です。ですが、慣れない子供さんにとってはなかなか辛い作業です。

ですから、難しいことは最初からしなくて構いません。一言だけでOKです。

例1-1

・今日は楽しかった
・今日はうれしかった
・今日はいやだった

こんな感じでシンプルでいいんです。これも立派に自分の思いを言葉にできています。とはいえこれはファーストステップ。書いている側も書いてもらう側もすぐに飽きると思いますので(一週間持てば優秀です)、飽きたら次のステップへ行きましょう。

1-2.一行日記①。「なにが」「いつ」「どこで」を加えよう!

1-1の日記に慣れたらここです。いわゆる「5w1h」をつけたいところですが、全部つけると一気にハードルが上がります。面倒で書くのを放棄したくなる人も少なからず出てくると思います。

そこで、「5w1h」の中から、具体化されており比較的書きやすい「when」「where」「what」の3つ、つまり題名の「いつ」「どこで」なにが」を書いていきましょう。

例1-2

・放課後、近くの公園でした、ドッヂボールが楽しかった。
・晩に、家でハンバーグを食べて、うれしかった。
・放課後、学校のクラブ活動で、喧嘩をして、嫌だった。

1-1.の一言日記に比べてどうでしょう。単語三個加えただけで、情報量がグッと増えた一行日記になりました。しかも中身は分かりやすい事実だけなのに。これなら子供さんも書きやすいですし、書いてもらう側もアドバイスしやすい上に、チェックも負担なく、やってもらいやすいと思います。

これが2週間~1ヶ月、続けて書けるようになったら次のステップへいきましょう。

1-3.一行日記②。「どうして」「どのように」「だれ」をつけよう!

1-2に引き続き「5w1h」です。これで、文の基本要素はおおむね完成となります。

例1-3

・午後、近くの公園で友だちとドッジボールをして、楽しく遊べたので、いい1日だった。
・家で家族と食べた、晩ごはんのおかずが大好きなハンバーグで、とても美味しかったから、満ち足りた1日だった。
・放課後、学校のクラブ活動でやった合唱で、パート内でちょっとしたことから喧嘩をしたので、とても嫌だった。

このように、5w1hをつけると、たった一文で中身がずいぶん充実した日記になります。書く側も書いてもらう側も、実感できると思います。これが1ヶ月できたらだいぶ力がついてきていますので、日記の最終ステップにいきましょう。

1-4.複数文日記。目安は140字!

ここまで来たら、日記の最終ステップです。文字の目安はtwitterと同じ140字にしましたが、この分量だと2~3文書けて、簡潔にまとめると言う意味ではちょうどいい…という理由です。実はこのぐらいの分量、大学入試の要約でも求められるので、このぐらいの文章で様々なボリュームでまとめられると、後々便利…でもあります。

例1-4

・午後、近くの公園で学校の友だちとドッヂボールをした。とても盛り上がって、ひたすら楽しかった。終わったあとのジュースも美味しくて、いい1日だった。明日は学校。放課後、サッカーかドロケイを友だちとやりたいなと思う。
・晩御飯は家でハンバーグだった。大好きなおかずで、ごはんもとっても美味しかったので、おかわりもして、大満足だった。やっぱりごはんがおいしいと嬉しいなと思う。明日のごはんも美味しく食べられるといいな。
・放課後、学校のクラブ活動の合唱クラブで、ちょっとしたことからパート内で喧嘩があった。コンクールも近いのに、歌うことより嫌な思いばっかりで、とても残念だった。次の練習は楽しくできたらいいなと思う。

ポイントは2つ。
基本的な内容は1-3と同じ
・明日以降の楽しみや、その前の日の振り返り、出来事のが書ければそれを書けばいいし、話が膨らまなければ、1-3で書くような話をもう一個作ればよい

1-3の段階で、すでに簡潔にまとまった文がかけているので、ここでは書き手が上記のポイントの中で、やり易い方を書けばいいと思います。書き手が困っていたら、書いてもらう側は話を聞いて、ポイントにあるような質問をして(例えば「この出来事があってどう思った?」「ほかに楽しいこととか残念なことがあったら教えてくれる?」などです)、どちらがよいかアドバイスをしていきましょう。

話の骨格は決まっているので、ヒントを出して、頭のモヤモヤを言語化すれば、もう140字くらいの文章は書ける力がついていると思います。

もし、大体において書けない場合(一週間くらい様子を見ましょう)は1-3の段階に戻って書き直し、これが日常的に書けるようになっていたら(目安は1ヶ月くらい)、日記でつけられる文章力は十分ついていると考えてよいでしょう。そこからは力が落ちないように、2~3日に1回書くようにして(もちろん毎日書けるなら書いてもOKです)、次のステップ・読書へいきましょう。

読書については次の記事で。

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