はじめに
当記事は、中学受験をしないが、授業についていきたい・中学生になってもすんなり学べる力をつけておきたいという小学生を対象にしておりますので、それを念頭に置いてご覧ください。
1.教科書を読もう
「いきなりかたいことを…。」と思われる親御さんも多いかもしれませんが、思い出してください。「ごんぎつね」に「スイミー」などの名作短編。小さい頃に読んで、今でも覚えていませんか?小学校の国語の教科書は、名作短編の宝庫です。特にこどもさんの教科書に載っていて、親御さんも読んだことのある作品は名作中の名作といって差し支えないでしょう。また、教科書の作品は学年ごとの学力に応じたフリガナなどもついているのが嬉しいところです。
良文を楽しく読んで、理解して、飽きてきたら、違う本を読みましょう。本のチョイスは当サイトの別コラム・「小学生に贈る作文講座②~本を読もう!~」をご参照ください。
2.漢字検定をゲーム感覚で
本を読み出して、楽しむ際に突き当たるのが語彙の壁、です。特に、漢字は読めないと何を書いているかわからないので(表音文字でもあり表意文字でもあるので、わからないと差し障りが多いです)、これは覚えないと辛いです。
そこで、トライしていただきたいのが漢字です。教科書準拠で学校の学習に合わせて学習するのもありなのですが、ここは漢字検定にトライしてみましょう。
ポイントはライバルに親御さんがなることです。もちろん同じ級でなくて問題ないです。親御さんご自身の級に合わせてトライしてください。
級ごとの目安は公式サイトをご参照ください。小学1年生は10級で、5級で小学6年生相当に当たります。ここで終わらせても問題ありませんが、3級の中学校卒業相当くらいまでやってしまえばだいたいの本は読めますので、大人の本まで読みたい子どもさんはここまで勉強するとよいかもしれません。ちなみに、7級からは熟語や対義語・類義語などの勉強もする必要があるので、語彙も増えるのがよいです。
テキストは色々ありますので、お好みなところはありますが、念のため、定番の公式テキストを紹介させていただきます。
漢検漢字学習ステップ5級改訂3版 [ 日本漢字能力検定協会 ]
漢検 5級 過去問題集 2019年度版 [ 公益財団法人 日本漢字能力検定協会 ]
3.接続詞を知ろう
本を読むのにあたって、覚えておくと楽なのが接続詞(もちろん、書くにも役立ちますが)。とはいえ、本格的に受験を意識するのでなければ、簡単な分類がわかれば十分です。簡単な部類は以下の通りです。
順接: うしろに当然の結果が続きます。
代表例)だから
逆接: うしろに予想外の結果や展開が続きます。
代表例)しかし
並列・添加: うしろに補足的な内容が続きます
代表例)また、さらに
説明: うしろに説明や補足が続きます。
代表例)なぜなら
詳しい分類・説明は以下のサイトをご参照ください(少し難しめなので、親御さんが理解のためにはフォロー要です。ここまでできてしまうと、中学入試レベルです)
4.話の要点をつかもう
「書いた人が何を言いたいか」です。物語の「作者の気持ち」や説明文の「作者が言いたいこと」ですね。
こちらを読み解くヒントは、前項で説明した接続詞。順接・逆接・説明の接続詞のあとの文をチェックしてください。話の肝が書いてあることが多いです。
物語文ですと、接続詞を見ても載っていないことがあります。その場合は何度も書いているお話をチェックしておくと理解しやすいです。
こちらを記述で書きたい場合は、別コラム・「小学生に贈る作文講座~読書感想文のキホンのキ~ 」の読書感想文のフォーマットをご参照ください。
5.文法・ことわざ・慣用句にチャレンジ!
最後はこちら。国語の総合力をつけるには欠かせない分野なのですが、漢字の漢検のような目安もないし、地道な勉強が一番成果が出るという、一番勉強がやりづらい分野。
こつこつ学ぶのがおすすめなので、比較的ハードルが低めな本を使ってチャレンジしてみましょう(但し、ボリュームもあるので、かなり手間もかかりますし、力もつくのは確かです)。
小学生のまんが言葉のきまり辞典(学研)
まんがなので比較的抵抗なく読みやすく、文法・ことわざの力をつけはじめるにはぴったり!演習問題も量が多くはないですが、分かりやすくて便利。
小学生のまんが敬語辞典新装版(学研)
ボリューム多目なのでややハードではありますが、中学入試・中学の授業にも使えるレベル。中学受験をしない場合はさらっと読めば十分ですが、楽しかったらしっかり読むのもあり。
最後に
実は、国語の学習、読解問題を除いて、中学受験レベルと比べても、それほど大きな差はありません(その読解問題も、当サイトの別シリーズ・小学生に贈る作文講座レベルのことができれば差は小さいです)。
国語は、全科目のベースになる科目な上、勉強してもなかなか成果が出にくい厄介な科目です。
しかし、得意になると、各科目の勉強がスムーズになり、マンガ、活字の読書、映画・ドラマ鑑賞、音楽、演劇(やるのも見るのも)、などなど趣味方面の楽しみも広がるよさもあります。
学校の科目だから、他の科目を学ぶためにも必要だから…だけではなく、趣味など課外活動を楽しむためのツールとしても重要なので、是非、勉強を応援してあげてください。
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