中学受験する覚悟が決まったら、準備を始めましょう。
悩むこととしては、「志望校を、どこにするか」「塾はどうするか」あたりになってくると思われます。
志望校については、成績などによる流動的なものになりますので、
しっかり決めるのは受験勉強を始める後になって構いません。(憧れ程度でもOK)
ですので、今回は、塾について書きたいと思います。
子供自身の中学受験に対するモチベーションが低い段階で始めたとしても、塾が子供の気持ちをうまく乗せてくれることが多いので、「思い立ったら吉日」ということですぐに検討しましょう。
塾の種類と選ぶポイント
集団塾 | 個別塾 | 家庭教師 | |
メリット | ・料金・時間割:明瞭 ・宿題:多め ・集団心理の効果 |
・料金・時間割:フレキシブル ・宿題:臨機応変 ・後からの追い上げも可能 |
・家庭でできる ・すべてがフレキシブル ・後からの追い上げも可能 |
デメリット | ・ターゲット層に合わないとつらい ・時間等、融通が利かない ・フォローアップに限界がある |
・講師の質や担当のばらつきがある ・料金等が分かりづらい ・子供に合わせすぎることがある |
・講師の管理者が近くにいないため、 家庭が管理者にならざるを得ない。 |
選ぶポイント | ・我が子にとって適切なターゲット層か ・授業が分かりやすいか ・フォロー体制 |
・教室長または担任がキーパーソン。 管理体制を確認しておく。 |
担当講師がすべて。 |
集団塾
教わるターゲットが想定されており、それに応じてカリキュラムも予め決定されています。
そのため、料金や時間割もシンプル・明瞭で科目ごとに教える講師も大方固定されます。
一般的に成績別のクラスが用意されているので、我が子がそれぞれのターゲット層にマッチしているかが重要になります。(そのために入会テストがあります。)
※物理的に、通える時間割であることが前提です。
一般的な大手学習塾のカリキュラム
小4までに、小学生の基礎は一旦終了。
小5までには、受験に必要な全ての単元終了。
小6は、実践に当てる。
→小5から入会するとなると、自分で基礎を身に付けていた子供でないとついていくのが厳しいです。
フォロー体制
同じ集団授業でも、クラスの人数によりフォロー体制も異なってくるため、事前に確認しておきたいところ。
私の指導経験上、15人以上だと、個別フォローはかなり難しくなります。
わからなくても、先に進んでしまうことによるリスクがありますが、頑張ってついていこうと頑張っていれば大きく伸びる可能性があります。
拘束時間・宿題
下記の個別指導、家庭教師等にくらべ、拘束時間は長く宿題は多くなりがちです。
それは、同じクラスの生徒であっても個人差があるためと考えられます。講師の立場で言うと、大勢の生徒を同時に相手にしているため、個人差を吸収するに漏れのないように教え、宿題を出すことに注力しています。
ついていけなくなってしまう子供がいる一方で、
量をこなすだけのガッツや体力がある子供であれば、十分な演習量が確保できるのが利点ともいえます。
集団心理を利用
競争が好きな子、周りの影響を受けやすい子は良い集団に入れてあげることで自ら勉強するようになります。
マイペースな子はどこでやってもマイペースな場合がありますが、そのようなタイプの場合は自分自身に軸がある場合が多いですので、あまり周りと比較せずに子供の目標実現に目を向けてあげてください。
個別塾
生徒個々の状況や目標に合わせて、カリキュラム・時間割等をが設定されます。そのため、遅いスタートでも中学受験に間に合ったりします。
一般的に、講師が固定でなかったり経験が浅かったりすることもよくありますが、教室長や担当のスタッフが間に入ってしっかりコントロールできていて、保護者へのとの連携も密に行われていれば心配ないでしょう。
授業の進め方、宿題
1人1人のペースに合わせて進められるため、分かるまで教えてもらうことが可能です。宿題もそれぞれの生徒ごとに出されるため、子供の状況や保護者の要望に合わせて調整しやすいです。※個別指導と書いてあっても一対一とは限らないので事前に要確認です。
一方、子供に合わせ臨機応変に対応しすぎて、進度が遅れたり、宿題の内容や量が不適切になる場合があります。
授業料
1コマあたりの授業料は、一般的に集団指導よりも高いですが、受験するためにどのくらい費用が掛かるかは個人差があります。自学が身についている生徒は必要な授業数も少なくて済むこともあります。教室長や担当のスタッフには費用も含めてよく相談しましょう。※料金の具体例は下もご参照ください。
様々な生徒に対応
自分のペースを崩したくない子、集団に圧倒されるような子は個別指導がおすすめです。また、理解に時間がかかる場合や帰国子女枠など特殊な対策が必要な場合など、集団指導のターゲットには合わない場合でも効率的に学習できるでしょう。
家庭教師
上記に述べた個別指導と共通する部分が多いです。
違いとしては、家に講師が来るため、家庭での生活と両立しやすいのが特徴です。また、一対一で教われるため、すべての授業時間を子供のために使ってもらうことができます。
一般的に担当の講師以外には管理者がいないため、家庭教師の良し悪しは講師次第となるでしょう。
大学生の講師と聞くと、頼りなく感じることと思います。実際、塾講師が初めての場合も多いのは事実です。
しかし、私の経験では学生だからだめ、社会人だから良い、ということはありません。学生だからこそ、営業とは関係なく子供のためだけを思って指導してくれる熱心な講師もたくさんいます。若いので吸収力もあり、熱心な講師はあっという間に経験面はカバーしてしまいます。
私はそんな講師を育てられる塾が最強だと考えています。
いつから塾を始めるべきか
上記でも述べましたが、集団塾はできれば4年生くらいで小学生の基礎を扱うため、4年生ごろからは始めたいところです。カリキュラムは塾によって違いますので、五年生からの受け入れ体制は調べた方が良さそうです。
実際、5年生から個別指導に駆け込むケースが多いのは、集団塾だと進みすぎてしまっているからですね。進度としては5年生からはじめても小5の夏休みには遅くとも終わらせて、そこから過去問演習等に入ることが可能です。
では、6年生からだとどうでしょう。かなり厳しくなってきます。ただ、個別指導では6年生から始める生徒さんも毎年一定数存在して、希望を叶えるケースも少なくありません。
6年生から塾をはじめて中学受験に成功するパターン
- 小学校での既習事項の習得度が高い。
- 子供自ら受験を強く希望している。
- 自習ができる。
- 受験校の問題が基本中心、または中学受験用の知識が不要(公立中高一貫など)。
- 2科目受験、帰国枠や特別枠など。
- アドバイスを受けたことはすぐ吸収するタイプの生徒・保護者。
塾の費用
6年生
A塾(集団) | B塾(集団) | C塾(集団) | |
週コマ数 | 6コマ(算国2、理社1) | 9コマ/12コマ | 6コマ(算国2、理社1) |
授業時間 | 80分 | 70分 | 100分 |
月額の授業料 | 58,320円 | 30,132円/40,824円 | 43,200円 |
A塾(集団) | B塾(集団) | C塾(集団) | |
週コマ数 | 6コマ(算国2、理社1) | 6コマ | 6コマ(算国2、理社1) |
授業時間 | 80分 | 70分 | 100分 |
月額の授業料 | 51,300円 | 25,272円 | 41,400円 |
A塾(集団) | B塾(集団) | C塾(集団) | |
週コマ数 | 6コマ(算国2、理社1) | 4コマ | 4コマ |
授業時間 | 80分 | 70分 | 100分 |
月額の授業料 | 40,500円 | 20,520円 | 26,500円 |
※個別指導は一般的に1:2、90分授業で1コマ3000~4000円が相場だと思われます。4科で週に1コマずつ受けるとすると、48,000~64,000円程度と計算されます。料金についてはHPではあまり公表されていないため、資料請求すると良いです。この機会に、電話の対応の仕方や来訪時の雰囲気等で、上記の「管理」の良し悪しの一部分をチェックしてしまいましょう。
塾を決めるポイント
塾は結局は「人」が重要だと思います。
教室長、講師、事務スタッフ等、関わる人をよく見てください。子供を良く見てくれそうですか。
通っている生徒を観察してください。授業を受けていて生き生きとしていますか。演習や自習は真剣にやっていますか。
現在1人良い先生がいたとしても、塾は異動や退職など、人の入れ替わりの激しい職場です。
2番手のスタッフや講師たち、事務スタッフの方、塾全体の体制についてもできるだけ観察しておくことをお勧めします。
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