なぜ私の名前は韓国風なのか
前回までロシアに関するお話をしてきましたが、今の私を語る上で欠かせないのが韓国です。
大学生の時に留学先のモスクワで韓国人男性と知り合い、数年後に結婚、その後韓国籍に帰化をしました。私の名前が韓国風なのはそのためです。
もう結婚前の話ですが、大学卒業後、私は韓国語を学ぶべく韓国へ旅立ちました。今回は、そんな韓国で私が経験したあるエピソードをご紹介したいと思います。
ミニトマトってフルーツなの?
韓国に行って間もない頃、パン屋さんの前を通りかかった時のことでした。韓国では、ケーキはパン屋さんで売っていることが多く、ガラスケースのなかには美味しそうなケーキがずらりと並んでいました。
ところが、その中のケーキの一つを見たとき、私は自分の目を疑ってしまいました。生クリームケーキの上にデコレーションされていたのは、なんとミニトマトだったんです。
「え?ケーキの上にトマト?」
「トマトと生クリームって合わなそう。」
「え?イチゴじゃないの?」(もちろんイチゴケーキもあります)
瞬間、頭の中がはてなマークでいっぱいになりました。
ミニトマトといえば、トマト同様、日本では野菜と考えるのが一般的なので、甘い生クリームとミニトマトの組み合わせがなんとも奇妙で受け入れがたい、違和感のあるものに思えたのです。でも実は、韓国では、ミニトマトは果物と考えられることも多く、食後のデザートにミニトマトなんてことも珍しくありません。
異文化理解の大切さ
韓国は日本と同じ東アジアの国で、地理的にも日本に近く、韓国人と日本人は外見も似ているため、ついつい文化も似ているだろうと無意識のうちに思い込んでしまいがちです。
グローバル社会において、外国語を話せることは、もちろん大きな助けになりますし強みでもあります。
しかし、それがすべてではないような気がします。何よりも大事なこと、それは大らかな気持ちで他国の文化を尊重し、理解しようと努力する態度なのかもしれません。これは常に心に留めておかなければならない大切なことだと思います。
また、自分の国とは異なる外国の文化に触れ、自分と異なる考えを持った人達と交わり合うことによって、既成概念を打ち破り、自分の考えの幅や知識を広げることもできます。そうすることによって、人生をより豊かなものにすることができるのではないでしょうか。
ミニトマト生クリームケーキを未だに食べたことはありませんが、意外と美味しくてお気に入りになってしまうかも。
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