中学はたくさんあるけど、どこがいいか調べたり説明会に行ったりしているうちに、情報が多すぎてどこがよいのか分からなくなることがあります。
そこで、迷うポイントを、まず2条件ずつ比較して整理→点数化して情報を整理する方法をお伝えしてします。今回はその2回目です。
前回は、環境面で比較しました。(①~⑧)
今回は、学校の方針や大学受験の実績、そして中学入試の内容で比較するポイントをお伝えします。
2、学校の方針で比較する
子どもの希望や性質も考慮して比較します。下記の他にもこだわりポイントがあれば追加しましょう。
⑦大学受験重視 VS 学校生活重視
- とにかく大学受験への体制が整っているかで選ぶのも一つです。
- 地域の公立中学校とは異なり、勉学以外の学校生活に関する教育も個性的な学校もあります。例えばミッション系の学校なら礼拝の時間があったりします。国際化やキャリア教育を重視している学校も増えています。
選び方
- 教育は、子供の人間形成に大きな影響を及ぼします。6年間は長いですので、教育方針が家庭や子供と合っているかは重要です。
- 直接の受験対策以外の教育に時間を割くと、その分授業時間等は減る可能性があるわけなので、バランスを見ておきましょう。
⑧英語強化 VS 理数強化
在学中
- 英語強化の場合は、単に受験英語強化という視点と、国際教育という視点があります。今はどこの学校も英語重視と言っていますので、その中身が大切です。国際教育重視の学校の中には、例えば留学や国際交流の制度がある学校もあります。
こちらのサイトに国際教育重視の学校がまとめられています
- 理数強化の場合も英語同様、単に受験の理数強化という学校と、それ以外の方針・内容が含まれる学校があります。理数重視と言っても理科の実験重視から研究発表まで、度合や内容は様々です。
こちらのサイトに理数教育重視の学校がまとめられています
大学受験
- 英語重視の学校に入学したからといって、皆が国際〇〇学部や外国語学部を目指すわけではありません。
- 英語はどこの大学を受けるにも必須科目になっていますので、得意教科にしておくべきです。
- 理数と言っても幅広いです。学部もたくさんあります。高2くらいまでには進みたい学部や学科を決められるようにすると良いでしょう。
- 理数の学部に進むには、受験科目は物理・化学・生物・地学に分かれ1~2科目が必要です。いずれにせよ受験科目に数学が必須です。
卒業後
- 英語はただの言語なので、大学以上になると「英語で何をするか」が求められます。社会に出てからも会社で英語を使う場面は年々増えています。(公用語が英語など)また、国外の大学に入学する日本人も増えてきています。(トップレベルの生徒は、今や東大ではなく国外の有名大学を目指す時代です)
- 理数系は大学からはそれぞれの専門性をきわめていくため、文系に比べて大学の勉強がハードと言われています。授業数が多く、大学院まで進むケースが多いです。就職に有利と言われているのは、それだけの専門性を身につけて卒業するからだといえるでしょう。
選び方
- 子どもの興味を重視して決めましょう。
- 強く専門性を打ち出している中学校の場合は、入学後に合わなかった場合の選択肢があるかどうかも見ておきましょう。
⑨部活で選ぶ VS 行事で選ぶ
- 特に入りたい部活が決まっている場合は、その点もリストに入れておきます。
- 入りたい部活がどの学校にもある場合や部活が特に決まっていない場合は、学校により個性的な行事がありますので良く見ておくと良いでしょう。
⑩面倒見が良い VS 自主性を重んじる
- 面倒見が良い学校は、宿題や小テストが多め、成績が悪かった時のフォローがある、クラス分けが細かい等、ケアが手厚く底上げがしっかりされます。そのため、大学受験も現役合格率が高くなる傾向にあります。その反面、拘束時間が長く、忙しい学校生活になりがちです。主に易しめから中堅校に多いタイプです。
- 自主性を重んじる学校は、上記と反対に基本的に生徒を縛らず、自分たちのやり方を尊重します。そのため入学後の学力格差は大きくなります。主に難関校に多いタイプです。
3、大学受験の実績で比較する
⑪国公立の対策がある VS 私大の対策重視
- 国公立大学と私立大学では科目数も異なり、入試の傾向も違います。大学は国公立にこだわるのであれば、国公立大への対策クラスがある学校を選びましょう。
- 中高一貫校では、高校生になると国公立クラスと私立クラスに分かれる学校が多いですが、成績が良くない場合は国公立クラスに入れてもらえない場合があります。予め、クラス編成について調べておくと良いでしょう。
⑫難関大合格実績 VS 現役大学進学率
- 難関大学の合格数には、実は1人の生徒が何校も合格している生徒や、浪人生が含まれている場合があります。よって難関大学合格者数が多いけれど、現役大学合格率の低い学校は、生徒間の格差がかなりある学校と言えます。
- 現役大学進学率の高い学校は、かなり底上げに努力している学校だとは言えますが、その大学名を見ると、無名大学も多数含まれていることがあります。
4、中学入試で比較する
入試で比較するのは、全単元の学習が完了して自分の実力が分かってからで良いと思います。最終的には多数の学校を受験するため受験スケジュールを検討します。例えば、下記のような条件も考慮して受験校を決めるのもおすすめです。
⑬実力より上の学校 VS 実力相応校
行きたい2校のスケジュールが被ってしまったとき、実力差があった場合は次のことを比較検討します。
- 不合格の可能性が高くても実力より上の学校にチャレンジする余地があるのか。
- それとも実力相応校を受けて合格可能性を上げるのか。
これは他の受験校との組み合わせで検討する必要があります。
⑭4科受験のみ VS 2科受験可能
始めから2科受験に絞ると決めて受験勉強を始めた場合はもちろん、4科受験で勉強していても、最終的に2科目のほうが合格しやすい日程が出てくることもあります。算数国語の学力での判断が必要となるでしょう。
⑮定番問題が多い VS 個性的な問題が多い
一般的に、定番問題が多い場合は、パターンを覚えてしまえば点数が取りやすいですが、その分合格点も高くなる傾向にあります。個性的な問題が多い学校は、その学校の特殊な対策が必要になり、他の学校を受ける時にあまり使えません。その反面、学校対策をしっかりやるとその学校を受ける生徒とは差をつけられます。
番外編
⑯雰囲気があっているか
これはずばり、見学会や説明会等に行った時の印象です。説明会等から帰ってきて、子どもが「この学校には行きたくない」と言ったら、その学校はやめた方が良いです。第一印象は割と当たることが多かったりします。(もちろん、何回か行っているうちに好きになることもありますが。)
リスト化、点数化する
- 比較する学校の差があまりない項目やどっちでもいい項目は省きます。
- 大きな差をつけたい場合は5点と1点にするなど、点数を調整します。
A校 | B校 | |||
➂ | 大学付属校 | 2 | 進学校 | 3 |
④ | 中高一貫校 | 2 | 高校からも入れる学校 | 3 |
⑤ | 共学 | 3 | 男子校(女子校) | 1 |
⑧ | 英語重視 | 2 | 理数重視 | 3 |
⑫ | 難関大実績 | 3 | 現役進学率 | 1 |
⑮ | 定番問題 | 2 | 個性的な問題 | 1 |
計 | 14 | 12 |
この2校だと、微妙にA校のほうが志望度が高そうですね。
このやり方は一つの例です。使いやすいようアレンジしてみてください。