色々な学校を見に行きましょう、と言われ行ってみたものの、あれこれ考えすぎて結局どの学校がいいか分からなくなることもあります。
今回は、1項目ずつ、それぞれ2択で比較していくようにしました。志望順位が客観的に見られるよう、リストにしてみるのもおすすめです。
1、環境で比較する
いちばん最初に悩むのはここかもしれません。それぞれメリット・デメリットがありますので保護者として譲れない条件は何なのか、考えてみましょう。
①公立中高一貫校 VS 私立中高一貫校
ここでは、公立中高一貫校中心にお話ししていきます。
中学受験
- 公立中高一貫校に入るには、適正検査という特殊な入試に合格する必要があります。適性検査に向いていれば、通常の中学受験より勉強量が少なくても合格する可能性があります。
- 倍率が非常に高く、5倍~10倍となっています。
- 受験は1回しかできません。(入試日がバッティングするので他の公立中高一貫校と併願不可)
- 確実に合格するには、難関中学入試レベルの学力が必要になります。
在学中
- 授業料が安い。
- 公立中高一貫校の中には、学習内容がかなり特殊な学校も見られ、それに合わないと授業についていけなくなる可能性があります。学習内容については、可能な限りWEBや知り合いから情報を集めておくと良いでしょう。
実際、公立中高一貫校に入学後ついていけなくて入塾した中学生の生徒さんがいたのですが、先生のオリジナルプリントの内容が高校でも習わないような高度な内容となっており、個別指導塾でも対策が大変でした。
大学受験
- 公立中高一貫校は私立中高一貫校と比較して、国公立大学への合格数が多いです。
選び方
- 一般的な中学受験の勉強をしておいて、公立・私立どちらでも選べるようにしておいた方がよいです。(もしくは公立中高一貫に落ちたら地元の公立中に入学することにするという選択肢がありますが、私はあまりお勧めしません)
こちらに詳しく書きました
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以上の理由により、ただ何となく公立中高一貫校を目指すのはおすすめできません、どのくらいこだわりがあるか、どんな点が良いと思うのかを整理しておくと良いでしょう。
➁国立大附属中学 対 私立中学
ここでは、難関の国立中学中心にお話をしていきます。
中学受験
- 国立中学の入試問題には難問・奇問が出題されにくいが、合格点はかなり高い。(ちなみに筑波大附属は80~90%以上取らないと合格できません)
在学中
- 授業料はやはり国立のほうが安いです。
- 国立中学は学校により 中学 → 高校からの内部進学の状況が異なるため注意。こちらのサイトに詳しく載っていますhttps://www.schoolnetwork.jp/jhs/maniax/2018-04/index.php
- 私立中高一貫はほぼ高校に進めますが、国立は外部受験の可能性がある学校の方が多いですので、事前に中高の接続状況は良く調べておいた方が良いでしょう。
大学受験
- 国立大附属とついていても、内部進学で大学には行けませんので、大学受験が必要です。
- 国立中学は、①の公立中高一貫校と同様、必ずしも大学入試を考慮した学習内容になっていない場合がありますので、大学入試対策を求めるのであれば、私立の方が安心といえるでしょう。
国立・私立に限らず最難関中学・高校は自主性を重んじる学校が多く、大学受験の勉強についても、早めに塾や予備校に行って頑張っている生徒さんが多いようです。
選び方
- 国立中学校の中で内部進学が少ない学校を受ける場合は、3年後また前向きに受験することができるかを子供と話しておく必要があります。
➂私立大学付属校 VS 進学校
在学中
- 大学付属校では、受験を気にせずやりたいことに集中しやすいです。内部進学のためには学校の成績が重要なので、学校の予習復習や定期テストの勉強をしっかりやりましょう。
- 進学校では、現役大学合格のために必死に取り組む学校が多いです。進度も早く、あっという間に基礎が終わってしまうため、中1・中2で気を抜きすぎると取り返すのが大変になります。
- 大学付属校でも、外部受験ができ大学受験対策に力を入れている学校もあります。内部進学が多いと、やはり周りの雰囲気は緩めです。
大学進学
- 大学付属校では、内部進学は学校によって制度等も異なるため、事前に良く調べておきましょう。学校の成績が悪いと学部が選べない高校も多いです。大学選びは将来の職業に直結しますが、大学付属校ということが返って選択肢を狭める可能性もあります。
内部進学をするのが前提の大学付属校と大学受験合格を目指す進学校では、入学後に大きな差があると思ってよいでしょう。
選び方
-
- 「大学受験なし」という点にこだわりがあれば大学付属校、「将来の大学選び」にこだわりがあれば進学校を選ぶ。
- コツコツ勉強が大切な学校の勉強に向いているタイプなら大学付属校、子どもが一発勝負の入試の勉強に向いているタイプなら進学校を選ぶ。
→診断結果の説明はこちら
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④中高一貫校(中等教育学校) VS 高校からも入れる学校(併設校)
在学中
- 中高一貫校は全員が6年間一貫教育なので、高2までには全範囲を終了して、高3は受験勉強に集中できることができるカリキュラムになっています。
- 併設型は、高校から入学する生徒との混合クラスなのか否かで、カリキュラムは異なってきます。混合クラスの場合、中学は中学の内容、高校は高校の内容をやることになりますので進度は遅くなります。
大学受験
- 高校からも入れる学校の場合、学校の成績を取るのを頑張ってきた生徒たちが高校から入ってくるため、大学受験でも推薦枠の獲得者は高校からの入学者が多いと良く言われます。
選び方
- 大学受験のためのカリキュラムやクラス構成は高校ごとに異なりますので、高校からも入れるか否かに関わらずに調べておく必要があります。そのため2条件の比較はいつの指標と参考程度にしておいていただければと思います。
⑤共学 VS 別学(男子校・女子校)
中学受験
- 同レベルの学校でも、どちらかと言えば男子校は理数系重視、女子校は文系重視の入試になっていることが多いです。共学は全科目バランス良く学力が問われる傾向にあります。
在学中
- 別学の特徴としては、男女の差という視点がなくなるために、男子の場合はA、女子の場合はBというようなパターンに分けて指導する必要がなくなります。それは例えば、入試で同じ学力層を集めて同一カリキュラムで進めたほうが、地域に住む生徒全員を集めて教育するよりも効率的であるのと同様です。
- 別学の場合、男子校なら男子のための教育、女子校なら女子のための教育が強く方針だてられていることが多いです。
- 共学では、男女の差による問題は当たり前のように出てきますが、それが日常なので対応方法も学んでいけるとも言えます。
卒業後
- 別学出身者の場合、大学入学後共学になると、結構カルチャーショックを受けたりどう対応したらよいか戸惑ったりすることも多いです。私の印象では、大学入学当初は男女交際にやたら必死だったり、逆に全く異性と話さなかったりと極端な人がいますね。徐々に適応していくので心配はいりませんが。
- 共学だとそういう変化はないため、別学では貴重な経験ができるともいえるでしょう。
選び方
- 別学か共学かは子供が重視する項目です。子どもの希望を優先して良いでしょう。
⑥遠くに通う VS 近場に通う
- 近くに通った方が、時間・お金・労力どれをとっても効率的です。
- 今いる地域の友達と会いたくない、電車で通学したい等、こだわりがある場合は遠くの学校に通いたいという希望もあるかもしれません。
選び方
通う距離がどの辺り希望なのか、範囲を決めておくと良いです。
リスト作成例
こうやって条件を書き出していくと、かなり迷う項目が沢山ありますね。
まだ項目があるので、他の項目については次回説明していきます。
次の回の項目と合わせて、下記のようにリストを作って学校比較をすると分かりやすいです。
- こだわりのない条件(どっちでもいい)は外す。
- ざっくり点数化してみる。
A校 | B校 | |||
➂ | 大学付属校 | 2 | 進学校 | 3 |
④ | 中高一貫校 | 2 | 高校からも入れる学校 | 3 |
⑤ | 共学 | 3 | 男子校(女子校) | 1 |
合計点が同点になってしまいました。次回、別の項目も追加で考えてみましょう。